2015年12月17日は、今月9日に放送した
「女のホケン室 これって私だけ?おっぱいトラブル」
の中から、乳がんのサインや、検診に関する
疑問について乳腺外科医の土井卓子さんが答えました。
おっぱいトラブルが、乳がんなのかどうか、
ものすごく気になる、放送内容をまとめました。
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Q:おっぱいだけじゃなく、ワキまで痛い・・・
「片側だけ、おっぱいに痛みが急に出てきて、2~3日後には
わきの下のリンパ腺辺りも痛くなりました。しかし、
2週間くらいしたらだんだん痛みがなくなりました。
放っておいても大丈夫でしょうか?」
A:乳がんの疑いは、ほとんどありません。考えられる原因は
「女性ホルモンの変動」です。
左右どちらか片方の乳房が痛いのは、女性ホルモンの分泌が
不安定になることが関連していることが多いです。
乳房だけでなく、わきの下、肩、背中まで、痛みや
重苦しさを感じることもあります。
一般に、乳がんが直接の原因で、乳房以外が痛くなることはめったに
ないそうです。
Q:急に、おっぱいに赤いイボが・・・
「マンモグラフィーとエコーの検診を受けて異常なし
だったのですが、数日後、1ミリくらいの赤いイボが
出て消えません。再度、検査した方がよいでしょうか?」
A:乳がんの疑いは、ほとんどありません。急にできたのであれば、
接触性の皮膚炎など、皮膚科の疾患の可能性が高いです。
Q:乳首からの分泌物。おっぱい以外の場所に原因が・・・
「出産後、10年近くたっても乳首からの分泌物が止まらず、
病院に行ったら、脳のMRIを撮ると言われてびっくり。
結果は、良性の脳腫瘍でした。
現在は、薬による治療で分泌物はおさまっています。
脳の病気の可能性があることも皆さんに知っていただきたいです。」
A:これは、ホルモンの分泌が異常になる「高プロラクチン血症」
という病気で、乳腺の病気ではありませんが、乳首から
分泌物が出ます。
原因は、脳の下垂体にできた良性の腫瘍で、脳のMRI検査
などでわかります。
この病気の場合は、月経が止まるなど、ほかの症状も出ます。
Q:検診って、必要なの?
「年に1回、必ず検診に行きますが、北斗晶さんのように、
検診に行っていてもがんが進行していたケースもあります。
検診について、どのように考えるといいのでしょうか。」
A:乳がん検診を受ける人が増えることで、早期発見につながり
根治できる可能性が高くなります。
乳がんで亡くなる人が減少する見込みもあると言われています。
Q:放射線が気になります・・・
「2年に一度、検診を受けることが推奨されていますが、
マンモグラフィー検診って、毎年、受けてもよいもの
なのでしょうか?放射線をあびるので気になります。」
A:毎年、マンモグラフィー検診を受けたとしても、
乳がんのリスクはほとんど上がりません。
マンモグラフィー検診を受けたときに浴びる放射線の
線量は大変低く、胸部レントゲンと同じ程度です。
Q:誰でも受けられるの?
「胸が小さいけれど、マンモグラフィーは受けられる?」
A:乳房の大きさにかかわらずマンモグラフィーは受けられます。
Q:検診を受ける時期は?
「マンモグラフィーはいつ受けるのがいいの?ダメな時期はありますか?」
A:受ける時期によって、痛みの感じ方が違います。生理のある人は、
生理が始まって5~6日目が乳房のハリがいちばんおさまって、
痛みが少なく、排卵~生理開始のあたりは、ホルモンバランスの
影響で、乳房が張って、痛みが出やすい時期です。
Q:授乳中は?
「授乳中は、乳がん検診を受けられますか?」
A:授乳中は乳腺が発達していて、マンモグラフィーだと、
しこりが見つけにくいのでエコー検査の方がおすすめです。
また、30~40代は乳腺が発達していてマンモグラフィーだと
しこりがうつりにくいため、エコー検査も合わせて
行うことをおすすめします。
Q:「石灰化」って?
「10年程前に受けたマンモグラフィーで左右の胸に
石灰化したものが無数あることが分かりました。
大きくならなければ放置していても大丈夫と言われましたが
本当に大丈夫なのでしょうか。」
A:「石灰化」とは、カルシウムが固まった物です。
がんが疑われるのは、細かい粒が集まっていたり、
線状に広がっている場合ですが、個人で判断するのは
非常に難しく、専門医の判断が必要になります。
乳腺外科などの医療機関で大丈夫と言われた石灰化は、
おそらく大丈夫です。
心配な場合は、医師から指定された間隔で、経過観察を
していくことが大事です。
異変が現れたら、すぐに見つけられます。
Q:「のう胞」って?
「ことしの3月に、左胸に13ミリの“のう胞”が見つかりました。
その後、しこりのようなものと痛みを感じ、受診すると、
エコー検査をしただけで来年また受診するようにとのこと。
がんになるのではと、とても不安です。」
A:のう胞は、乳腺にできる、分泌液の水たまりのようなもので、
乳がんに変化することはありません。
ただし、乳腺に潜むがんが原因でのう胞ができる場合もあるので、
注意は必要です。1年に1回程度の経過観察が大切です。
Q:「線維腺腫」は大丈夫?
A:線維腺腫とは、女性ホルモンに反応して乳腺にできた
良性の腫瘍のことです。
これ自体ががんということではありませんが、線維腺腫が
できた人は、女性ホルモンに反応しやすい体質で、
がんを発症するリスクが高いという見方もあるので、
年に1度の検診は欠かさず受けることをおすすめします。
おっぱいのトラブルは、意外に多いんですね。
乳がんに対する恐怖心は、トラブルがあると
本当に大きくなりますね。
今回の放送をきっかけに、病院を受診してみては
どうかと思いました。
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